月別: 2015年11月
院長ブログの開始
- 2015年11月16日
このたび練馬区南大泉に金子保谷内科クリニックを開設させていただきました金子有吾です。
私は大学で10年以上、医師としても15年以上内科、呼吸器内科の研究や患者さんと触れ合ってきましたが、2011年にターニングポイントがありました。私自身が腰痛となり、自分なりに原因を探るために勉強をしたり、整体にも行ったりしましたが、改善しませんでした。
しかし、巣鴨にある鍼灸師と出会ってから、病気に対する考え方が変わりました。
もちろん患者さんの気持ちが痛いほど分かりましたし、ストレス社会の現代において患者さんは腹痛、下痢、めまい、頭痛など様々な症状を起こしますが、検査をしても異常はなく、現代の医学では解明できないような機能的障害が起こることも分かりました。
その人にとってターゲットとなる部位が違っていて、腹痛であったり、頭痛であったりします。
また、症状は一つではなく、多彩であることが多いです。
例えば図1のように上腹部痛が一番強く、5の強さの症状で、あとは喉の閉塞感が4の強さだとすると喉の閉塞感は少し感じる程度でそのほかの3以下の症状は感じない場合があります。
しかし、図2のように5の強さの上腹部痛を何らかの方法で2まで和らげてあげると、今度は4の強さの喉の閉塞感が強く現れたり、3以下の強さの症状も感じてきます。
これは悪くなったのではなく、潜んでいた症状が現れてきたと考えます。次に喉の閉塞感の治療をしてあげると頭痛が出てくるというように、一つ一つを解決していけば時間はかかりますが、徐々に多彩な症状も改善していきます。
様々な症状や診察からその患者さんにとって西洋薬や東洋薬、もしくは生活習慣の改善や運動の指導がいいのかを考えていきます。そして患者さんと一緒に治療をしていくことで少しでも多くの患者さんが笑顔になっていければと思います。
慢性の腹痛でお悩みの方へ
- 2015年11月12日
便秘や下痢ですっきりしない、電車や会社に行くと極度のストレスでお腹(おなか)が痛くなる、いつもお腹のどこかが重い感じがするなどの症状はありませんか?
これらの症状があり、いろいろな病院で胃カメラ、大腸カメラ、CTなど検査をしたけど、「慢性胃炎です」とか「ピロリがいるので除菌をしましょう」とか「検査で異常がないので大丈夫です。よかったですね」などと言われるもじゃあどうして私のお腹は痛いの?と聞いても納得いく答えが返ってこなく、何度も受診にいくようだと嫌がられたり、精神的なものと言われたり、漫然と胃薬をずっと処方されるという経験があると思います。ピロリの除菌でお腹の痛みが治るかたもいらっしゃいますが、大半の方はそれだけでは改善しません。
最近は機能性ディスペプシア(FD)や過敏性腸症候群(IBS)という病気が多くなってきましたが、検査で異常がないとこれらの疾患にあてはめられてしまうことが多いと思います。
はたしてすべての病気が医学で解明されていて、それらの分かっている病気にあてはまるのでしょうか?決してはそうではありません。
検査の異常がない人のお腹をずっと見ているとお腹の筋肉が極度に緊張している人が非常に多いことが分かりました。診察時にある方法でお腹の緊張状態をとってあげると痛みがすぐに改善することが多いです。ただ、それは一時的に緊張をとってあげるだけなので、それらを永続的に改善するためにストレッチの指導と漢方による治療をしていきます。
もちろん筋緊張による腹痛だけではありません。詳しく検査をすると別の病気がみつかることもあるかと思います。ただ、無駄な検査や治療を受けている方を少しでもいい方向に道筋を作って上げられればと思います。
最後に、私は腰痛で巣鴨の ”えびでんす” という鍼灸の先生との出会いからこれらの診察法や治療法を学びました。
今後もいろいろな患者さんのお腹や全身を診察することによってさらに違う方法や治療法が解明できればと日々努力しております。